それを不幸とすり替える

 

 

当たり前に愛があり

私はそれにくるまり

ぬるい温かさの中で育てられた

不幸も疑念も絶望もない

優しい眼差しに満ちた世界

なのにこの孤独感はなに

愕然としそうなほどの

どうしようもない独りぼっち

生まれ育ち生きる生物は

かくも

この意識を持つものなのか

 

私を見守る私の分身

私の愛

私の哀しみ

私の渇望

皆々が口を揃えて言う

おまえは幸福だと

おまえは甘えていると

 

キムチの辛さを欲するように

ピリリとキツい言葉を選んで

あなた達は悦に入る

幸福なわたしは

知らず知らずに

それを不幸とすり替える