遊牧民族であったのか?

私は仕事が長く続いた試しが無い。今まで何十社(ヘタすると100社超えているかも…)もの職場で働いてきたが、長く持って1年、短くて半日、という超短期スパンだ。 何故そんなに仕事が長続きしないかと言うと、「毎日同じ時間に同じ会社に行き同じ仕事をする…

豊饒 海と美

さしもの貴方でさえ芳香極まる美の恩恵に胸焼け起こし俯向いてしまう 何が彼を追い立てる何が貴方を魅入らせる 美だ美だ…美だと? 絶望の奥底に潜む砂のひと粒貴方の美はそれにしか過ぎぬ怯え怯えそして陶酔 鍛えに鍛えて脆く崩れ落ちるがんじがらめの骨の屑…

忘却の恋

ひたむきに焦がれた夜もあったのに ……もうとうに通り過ぎてしまった。 今はいずこ忘れた感情を探しに幾夜も夢を彷徨いに出かける 恋は短く慕情は儚く貴方の面影は秋の日長い影のよに焦げたアスファルトにひたすらに伸び ふと目覚めた深夜の枕元で忘れたはず…

酩酊

言葉に溺れゆく歌に浸り沈む舞に砕け散る やがて と貴方は言うもしくはすべて と もう一度二度振り返り振り返り貴方がこちらを向かないの分かっていてもそれでも 尚 歩を止めて風になびく髪をそのその肩を腰を貴方という物体を いずれ消えゆく姿でも痛いほど…

残酷

右斜めに俯き静かに放った一言がそんなにも君を傷つけたのか 僕は知らなかった 下手をするとへらりと気安く笑いながら舐めた口調をするところだった もう遅いねごめんね。 …なんて言っても届かない 君は秒の速さで遥か彼方に去っていった君の現し身だけを目…

やがて時は来る

経ってしまった長い年月がきみを責める柔らかいシフォンのリボンで甘噛みのようにぐるぐる巻きにされ飼い殺しの如く中途半端に見動ける苦痛 逃げないし目を瞑らないだけどこの手は燃えさかる炎の中 忍び泣き足元に溜まる涙の渦 すべて錯覚さ今までの苦悩 皆…

解離現わる

久方振りに解離のやつ 夜中に現わる また来おったかもう絶滅種かと思ったのにそちもなかなかにしぶといの 耳鳴りやかましくブレインフォグ逞しく体固まるが如く はいはい分かったじきに我がバスターズやって来るけん早く逃げるがよい 野良の犬追い立てるかの…

19の夜に

あの日の私はまだ未成年だったよね?あなたは私の中学時代の副担任夜更けまで飲み屋に引っ張り回して気弱な私は「もう帰ります」の一言が言えなくて へろへろに酔い潰れたあなたは地べたに突っ伏し 終電逃し仕方がなくて泊まれるピンクの部屋に運んだよ ドア…

総てを忘れてしまうのだろう

ひとたび眠ればこの苦悶すら消えてしまう 消えるな消すな苦悩の海でひたすら漂え果てまで続く涙とため息の波に溺れろ 安らかな眠りなぞ嫌悪して蹴散らせいついつまでも今の自分でいたいなら そして全知全能の神の如く私はぶざまに寝付くのだろう おそらく総…

大切な友よ

何故にあなたはそんなに変わり果ててしまったのかもう あのほがらかで真っすぐなあなたはいないどこにもほんのカケラさえも 無い見当たらない 悲しくて涙がただれる私のせいか誰のせいか帰らぬ時間を懐かしみ愛おしんでもそれも虚しく 何故にあなたはそんな…

深海の謎ほどに

ドキドキドキッ…ではなく、バリバリバリッ…と胸内が激しく音を立てた。 巨大虫に喰い尽くされたかのよう残りカスと化した私の心は大半あの人に持ち去られた 返さなくていい ほんのこれっぽっちとなった小さな小さな私の残骸は存外居心地もよくけれど失くした…

忘れたわけではありません

忘れたわけではありませんですが…ですが貴方への思慕はもはや遠き日の一番星記憶の彼方で冴え冴えと光放つもののそれは思い起こそう と苦心した時だけの瞬き 忘れたわけではありませんそれは単なる言い訳でしょうか 今日この日をひとり部屋で過ごすのも下手…

苦笑。

明るく朗らかに言葉を紡ぎ合うより黙りこくって並び歩く方を選びたい 優しげなあなたと二人でいる貴重なひと時なのに何故か言葉が邪魔になる 目さえいらない何も見たくない手探りで暗闇をつたい歩くあなたとならばあなたとならば 苦笑。 何も始まりもせずか…

君の出番だ

甘き おとめよかろうじて世に存在す「明日は我が身」を明らかにすべく私は 過去の未来の現し身か今 わざとばかりに微笑まん 辛き成年よ優しげな木の葉のせせらぎに一重のまぶた眩しげに細め三重八重のバラの棘にてその手首を切ん 大人なる 我が身よ老いを追…

道行は果たして

暗い暗い暗い濃灰色の雲間からようやくひと筋の陽が 待ちくたびれて眠り込むその寸前に やあ やっと来たねよくたどり着いたねよろしくよろしく 握る両手はひたすら暖かく微笑む顔は夢の如く柔らかく …待っていたよ君を出会う前からずっと そんな手ぬるい歓迎…

まばたきの合間に

まばたきの合間に日よ過ぎろ時よ流れろ苦しみのたうち回るそんな経緯はいらないお気楽な結果だけが欲しい振り向いたら全てが終わりまた始まっていたカレンダー1枚めくるように 経緯こそが人を育てる そうも言うだが今はせめて今はどうか今は 雨止み陽が照る…

しぶとく生き続けてやる

こんな運命を誰が望んだだろう真っ逆さまに落ちてゆく底の無い奈落のよう小さく叫んでも声は反響することなく風と共に空気に吸い込まれてゆく 儚い余韻さえ残さぬそれはあの時の不意な笑みにも似てひたすらそら恐ろしくなるんだ あなたはあの時何を心に思っ…

やけに神妙な気持ちになる

頼りなげな眼差し投げそれでも志高く掲げあなたは闇に消えゆく 真の笑顔を見たい と強く心に誓いつつ泣き言を呟いてはくれぬか と真反対の思い胸の奥ぎゅっと掴まれる これは愛なのかそれとも単なるエゴなのか綺麗な方に楚々と一票入れ 今日も明日も崇高な世…

12月24日

貴方の笑顔が見たい 何をすれば何になれば何を越えれば貴方は心からの笑顔になる 幸せにしたい 手順は分からない巳すらもまだ幸せだ と言い切れない惑いの南天の実がいまだ喉奥に張り付いている 愛の日がやって来た当たり前にある筈のこの生活を私たちはカレ…

残響おびただしくも

多分、離れてゆかないですよもう必要としなくなっても。 …必要?必要か… 私はあなたが必要ですかね?あなたは私が必要ですか?違うでしょう、きっと。 必要とし合わない同士でも 近くに存在すること別におかしくはないですよね? 空にぷかりと雲が浮かんでる…

地獄に花は咲かない

去年の今頃はね死にそうにつらかったよ死ぬかと思った ホントに動悸息切れ 頭混乱幻聴 怯え 被害妄想 眠れなくて眠れなくて頭ぐるぐるになりながら布団のうえで体育座りこらえてこらえて ひたすらこらえて朝が来るのを必死に祈った 世界で私たった独りだと誰…

恋の終わりと夜明け

生ぬるくてくどくどとした「自称」恋の詩に血反吐はきシケモク潰す仕草でつま先をアスファルトに押し付けた …おお寒い。からっ風が胸の奥通過する。 こんな歌では赤子でさえ泣きも笑いもしないだろう もっとさひりつくようなリアリティをおくれよさめざめと…

言葉と言葉のミルフィーユ

恐るべき無意識の日常で唐突に「好きです」と言ってしまいそうだ口から泡ぶくのように言葉が出てきてしまいそうだ 気をつけ の姿勢で幾度も飲み込み喉奥にしまうまだ早すぎるもう遅すぎる 告白は赤いバラと共に やめてくれい心を掻き回さないでくれそんなふ…

はつこい

不思議と安心感をくれるひとだふた回りは下だろうに穏やかな笑みに安堵する名前を呼ばれたわたしのわたしの名を呼んだわたしのわたしのだあなたが口にするわたしの名魔法の呪文のように聞こえる 息が詰まる けれど柔らかく溶けていくここにいていいんだよそ…

36年

当たり前の日課として薬を飲む朝を夕を私は36年続けているもうじき37年 馬鹿げているかもあまりにも長い時間病は私と共に有る病が私 と言ってもいいくらい 眩しくない青春期があった誰ともつがいにならず子を孕みもしない女がおんなでなくなり老年が視界に入…

手紙

あなたと手紙をかわした日々は遠い夏の向日葵のようだただただ眩しく健やかに風に揺れているもう戻らない 拠んどころなく睫毛を伏せあの日々を静かに思い出す今は寒々しい風が吹いているもう戻らない 何かが変わって何も変わらない何かもある この心情はひた…

卒業

春でなくてもいいですかもしか夏までかかっても貴方は無垢に高らかににこりと笑ってくれるでしょう よもや秋になってしまっても貴方は絶対怒りはしないけれど陰でひっそりと小さくため息などつくかもしれない ひとまず夏を目指します本当は春、いや初夏?貴…

恋が舞い降りた

あの類の「ときめき」なんぞもう永遠に失くしたかと思っていた 時は来た。 声が聞こえる気配を感じるすぐ横を通り過ぎる。 奪われる。心奪われ視界が狭まる 知らぬふりしてわざと俯く虚ろにふと そっぽを向く 気づかれているだろうか気にかけてもらえている…

静かに祈る いつも願う

いついつまでも元気でいてください神社のお参りでは貴方の健康を祈りますいつもそうです今日もそうです 翳りある額に不安が募りますそれは貴方に失礼だと分かってはいますけど 無理ですきっと私は貴方の為 と生きてしまうのでしょう我が身の幸福よりそれを望…

夢食べ盛る獏よ

なるたけ覚えていたいものだ一夜眠りに落ちてしまえばぱらりぱらりと記憶は剥げ落ちてゆくのだろう くやしい 事細かに日記に書いたとてこの温度は残せやしない同じ空気を吸って吐いた喉奥の幸福も もはやもう くやしい ならば永遠に永遠に眠らずにいられぬも…