逗子 山 野原

 

 

ほんじゃまあ
郷愁にでも
浸りに行きましょうかね
あの黄色い草っぱら
しつこいくらいの西日の地


忘れちゃいないさ
忘れっこない
だけど記憶はそら薄い
儚い思い出ばかりだよ
白けた笑いで彩られた


学校なんて
制服なんて
思い起こせば
ため息ばかり
だけど何故かね  校舎はね
胸苦しいほどいとしいのさ


やけに眩しいあの一本道
ずらずらずらずらと
並んで歩いたあの時だけは
涙出そうに懐かしい


今はもう無い
無情に廃校 あっけない
心ん中だけで
華々しくそびえ立つ
ウソさ
しおれた菊のごとく
侘しく奥地に潜んでる


我が青春の地  なんて
そんな大層なもんでもないが


あの日あの時
君らはわたしと
確かに共に
共にいたんだ